安倍首相は「新談話」で日本の新たな姿勢示せ(1月23日付夕刊フジ【いざ!幸福維新】にて掲載)

 安倍晋三首相は年頭記者会見で、戦後70年の首相談話を発表する方針を表明しました。首相としては、談話に「戦後の平和国家としての歩み」や「世界への貢献」を盛り込み、未来志向に軸足をおいたメッセージを発信する考えのようですが、注目すべきは、「村山(富市首相)談話も含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」との発言です。

 歴代内閣の歴史認識の継承を促す中韓両国や米国への“配慮”ともとれる発言ですが、先の大戦への贖罪意識から日本政府が発表した「河野洋平官房長官談話」「村山談話」の撤回なくして、歴史認識を巡る日本の名誉は回復できません。

河野・村山談話は「日本が悪かった」という自虐史観を日本人に植え込んだばかりか、国際社会に対し、「日本は謝罪する以上、残虐なことをしたに違いない」との印象を与えました。おかげで、中国の軍事的膨張などに対峙するなか、頼みの綱である米国が「世界の警察」の座から降りようとしているにもかかわらず、日本はことあるごとに軍国主義化を危惧されて、「自分の国は自分で守る」体制構築も満足にできない状態です。日本の誇りを取り戻し、国の守りを強くすることなくして、日本の未来は開けないでしょう。

 歴史認識の見直しを「歴史修正主義」と批判する向きもありますが、事実を改竄しようとしているわけでは決してありません。そもそも、「日本悪玉論」は日本弱体化をもくろむ戦勝国側によって広められた歴史観にほかならないのです。先の大戦を日本の侵略戦争とする見方はあまりに一方的であり、「欧米列強の植民地支配から有色人種を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたもの」と解釈するのが、公正な歴史認識だと考えます。

 戦後70年の節目となる本年を、日本から自虐史観を完全に払拭し、世界の平和と繁栄に貢献する国家へと新生を図るための大きな一年とすべきです。首相には、「戦後」を終わらせるべく、新談話において正しい歴史観に基づく日本の新たな姿勢を示すよう望みます。

 

(幸福実現党党首・釈量子)

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