先日、訪問したばかりの石垣島、宮古島が緊張にさらされています。
23日、中国は東シナ海、尖閣諸島を含む空域に「防空識別圏」を設定し、「情報収集機など2機」を尖閣上空に飛行させました。
「防空識別圏」とは、防衛上の必要性から不審機の領空侵犯に備える目的で領空の外側に設定した空域圏のことです。
日本は、すでに尖閣諸島空域に「防空識別圏」を設定しており、事前に通過の報告がない場合は、国籍不明機として自衛隊がスクランブル発進し、日本の空を守っています。
23日も、日本の防空識別圏に入ったことを防衛省が確認し、航空自衛隊機がスクランブル発進させています。
中国側国防省が公表した声明や公告によれば、「防衛識別圏を飛ぶ航空機は飛行計画を中国外務省または航空当局に提出する義務を負う」と規定し、従わない場合は、「中国の武装力が防衛的な緊急措置を講じる」と明記しています。
日本固有の領土である尖閣諸島上空に防空識別圏を設定している日本の立場は、国際的にみても正当なものです。しかし中国は、尖閣諸島を一方的に自国領と主張し、今回の防空識別圏を設定したわけです。
尖閣諸島は日本の領土ですから、尖閣上空を飛行するにしても中国に対して報告する義務はありません。日本が中国に報告すれば、尖閣諸島は中国領であると認めることになります。
外務省、政府は中国側に抗議し、政府は、飛行計画を中国に提出しないよう航空会社に要請、ANAと日本航空は一時提出していた中国側への飛行計画の提出を中止しました。
米国の動き
これに対して日本の同盟国である米国の動きは、徹底しています。
「米軍機、防空識別圏を飛行=中国に事前通報せず」(11/27時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013112700042
米政府は、中国が設定した防空識別圏に対して中国側に緊張を高める一方的な行動だと非難し、圏内を飛行する際も中国側の求める経路の通報などの措置は一切取らないと表明していました。
そして26日、中国政府が防空識別圏に設定した尖閣諸島周辺を「米戦略爆撃機B52」、2機を中国側に事前通報せず訓練飛行させたのです。
米国の意図は、尖閣周辺に爆撃機を派遣することで、中国の防空識別圏の措置を断固認めない姿勢を示し、中国の反応をうかがうためです。
米国政府高官は27日、バイデン副大統領が、来週に中国をはじめ日本、韓国を訪問する予定で、中国で習近平国家主席と会談することを明らかにしており、東シナ海での中国防空識別圏の問題について、懸念を直接伝えることを明らかにしています。
日本は、中国の防空識別圏の設定を絶対に認めてはなりません。
そして米国との同盟関係をさらに強固にし、今回、防空識別圏に対して反発の声が上がっている韓国や台湾とも連携して、中国包囲網を形成し中国の横暴を封じ込める必要があります。