尖閣諸島は中国領と主張する日本の学者

休みの日になると、時折(あまり進歩が見られない)中国語の勉強の一環で、CNTV(中国の中央テレビのネット配信)をチェックします。

お気に入りのアンカーマンの番組など見たりするのですが、結構これが刺激的なのです。

特に、世界第三位の核大国らしく、軍事情報の番組はものすごく充実していて思わず目を見張ります。

最近嫌でも目に入るのが魚釣島の看板特集「聚集钓鱼岛」。

これを見ると中国の国家戦略がよく表れていると思います。

 

1936年、毛沢東が「すべてわが国が失った領土を取り戻すのが目前の事業です」とアメリカのジャーナリスト、E・スノーに語ったように、アヘン戦争で列強諸国に奪われた領土を取り戻す「失地回復主義」、そして「中華世界の再興」を果たすという強い意志が、中国の領土拡張の根底に流れています。

その失地回復主義を裏付けるように「古来より中国の領土」という主張がCNTVのネット上で力説されています。

そこで「おっ」と目を引くのが、日本の学者が尖閣は中国領だと主張しているというコーナー。

京都大学の井上清教授のことです。

井上教授は日帝の尖閣領有阻止を主張したイデオロギー色のハッキリした方で、魚釣島の中国帰属を主張した論文は、1972年3月4日の「人民日報」に全文掲載されています。

1970年ごろ、尖閣諸島に対して中国が突如領有権を主張した当時、日本ではいろんな意見があったようです。

昨日、その頃に青春時代をすごした方々から「当時、中国や北朝鮮に占領されたほうがいいと本気で考えていた日本の学者が出て、一気に評判が下がったんだよねえ」という話を聞きましたが、今の若い人たちは「民主党の議員の本音もそう変わらないんだろう」とぴんとくる人もいると思います。

 

さて、井上論文に対しては、奥原敏雄教授(国際法)の秀逸な反論(1973年)がネットで見られます。

ぜひチェックしてみてください。

「尖閣列島問題と井上清論文」

http://senkakujapan.nobody.jp/page084.html