月刊The Liberty(2016年1月号)に『釈量子の獅子奮迅(ししふんじん)ー世の中は変えられる!』の連載記事が掲載されました。今月号では「経営者が感じる統制経済の足音」と題して、ご紹介いたします。
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大学生の涙が教えるー
政治参加は「要求」よりも「恩返し」
来年の参院選から「18歳選挙権」が適用されます。若者の投票率を上げるため、教育関係者や各政党が、様々な授業やキャンペーンを模索しています。
「なぜ選挙に行かなければいけないの?」
そんな若者たちの問いに、私たち大人は、どう答えるべきなのでしょうか。
「社会保障で高齢者が得をして、若者が損をする」「景気が悪いと、就職できない」といった損得の話も、もちろん大事な視点です。
しかし、それではどうも若者の胸に響いていない印象です。
若者は「感謝」で人が変わる
「政治参加する動機」ということに関して、非常に印象深い経験があります。
私は政治家を目指す前、宗教法人・幸福の科学で、多くの大学生と接してきました。彼らの悩みを聞き、彼らが成長する姿を見てきました。
自信が持てず、無気力で、将来やりたい事も見つからない。そんな若者たちが、生まれ変わる瞬間があります。
それは「感謝」ができた瞬間です。一人暮らしの学生が、受験勉強を支えてくれた母親の愛情を思い出す。あまり家にいない父親が、20年間、自分を経済的に支え続けてくれたことに思いを馳せて、涙を流す。
それから、彼らの目は急に「大人の目」になり、人格にも重石が乗ったような安定感が出るようになるのです。
こうした経験をした若者が、共通して口にする言葉があります。それは、「世の中の役に立ちたい」という言葉です。感謝が湧いてくると、社会全体への関心や責任感が、誰に言われるでもなく生まれるのです。
こうした体験をきっかけに、今まで「他人事だ」と思っていた政治に、とたんに関心が湧いてくる―。そんな若者を、私は何人も見てきました。
「歴史観で人生観が変わった」
「愛国心」も、政治に関心を持つきっかけになります。
私は各地の講演で、先の大戦における軍人のエピソードを紹介することがあります。
パラオのペリリュー島で戦った中川州男大佐、沖縄戦で戦った牛島満中将、特攻隊として散って行った若者―。
命を懸けて戦った英霊たちの、家族や後世への愛を思わせる逸話や言葉です。
それを聞いた、ある若い女性が、こんなことを言ってくれました。
「この歴史観で、人生観も変わりました」
政治観なら分かりますが、人生観というのは少し意外でした。
小さい頃から、教科書で「悪い人たち」と教わってきた軍人たちの愛に衝撃を受け、「自分も国や後世のために何かしたい」と感じるようになったと言うのです。
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