平成28年12月28日
幸福実現党
安倍晋三首相が米ハワイの真珠湾を訪問し、犠牲者を慰霊するとともに、戦後の日米の「和解」を強調する演説を行いました。日米同盟の重要性をアピールする狙いがあるほか、本年5月のオバマ大統領による広島訪問への返礼としての意味合いもあるものと推察しますが、わが党としては、このたびの訪問に賛同できません。
2013年12月以降、首相の靖国参拝は見送られていますが、靖国神社に赴き、国のために一命をなげうった御霊に対して哀悼の誠を捧げることができないにもかかわらず、真珠湾に足を運んで慰霊するのは、本末転倒というほかありません。
そもそも旧日本軍による真珠湾攻撃は軍事施設に対するものであって、米軍による広島・長崎への原爆投下という大量虐殺とは、まったく異なります。首相の演説に謝罪がないとの指摘もみられますが、そもそも、米国が日本を対米開戦に追い込んだのが実情であり、「日本は侵略国家」とする東京裁判史観も、戦勝国側が流布した歴史観にほかなりません。対日戦を指揮したマッカーサーが戦後、日本の自衛戦争であった旨を証言しているように、先の大戦は、日本の正当な自衛権の行使としてなされたものであるとともに、列強による植民地支配や人種差別政策を打破する大義があったとみるのが、公正な歴史認識だと考えます。
戦後の良好な日米関係を踏まえ、米国にも歴史認識に関して公正な態度を求め、反省を促すべきというのが幸福実現党の考えであり、このたびの安倍首相の演説は、歴史認識を巡る日本の名誉回復には何ら寄与せず、内実を伴わない空虚な文言の羅列に終始したものと断ぜざるを得ません。
トランプ米新政権の発足を控え、時代の潮流が大きく変わろうとするなか、米国の政策変更を見据えた対応を急ぐべきにもかかわらず、場当たり的なパフォーマンスを優先させるような外交姿勢では、国益を損ないかねないことを指摘するものです。わが党は〝日本ファースト〟の政策遂行により、この国を強く、豊かにするとともに、日本を世界の平和や正義、繁栄実現に貢献できる国家とするよう力を尽くす決意です。