安倍首相による憲法改正発言を受けて(党声明)

 

平成29年5月4日
幸福実現党

 昨日、安倍晋三首相が自民党総裁としてのビデオメッセージで、2020年の新憲法施行を目指し、改正項目として、9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を憲法に明記する意向を表明しました。首相の改憲発言に、右も左も抱き込もうとする姿勢がにじみ出ており、わが党としては、その撤回を求めるものです。

 折しも、朝鮮半島情勢がかつてなく緊張の度合いを高めるなか、国家国民を守り抜くための国防強化が待ったなしであることは論を待ちません。戦力不保持と交戦権否認を定めた9条2項を削除するなどして、自衛隊を「軍」と明確に位置づけるというのが、わが党の基本方針です。

 このたびの首相の意向は、9条の規定を残置したうえで、解釈論ではなく自衛隊を明文規定により合憲の存在と認めようとするものですが、これでは国防の手足が縛られた現状になんら変わりはありません。さらに、「自衛隊は軍隊ではない」という「白馬は馬に非ず」式の解釈論を憲法に書き込むことになり、解釈論と条文改定とを混同しております。

 また、「教育無償化」を主張する日本維新の会との連携をにらんでか、首相は「高等教育についてもすべての国民に真に開かれたものとしなければならない」と述べましたが、質の低い公教育を温存したままでの教育無償化は、財政赤字の拡大や一層の国力低下をもたらすだけです。無償化の「加憲」は、左翼陣営や国民の買収をもくろんでいるかの如き「バラマキ政策」と断じざるを得ません。人づくりは国家の礎であり、人材育成に力を尽くすべきですが、「教育無償化」は、教育の国家統制を強め、この国全体の社会主義化に拍車をかけることになると危惧しております。

 この国を強く、豊かにするための政策遂行が急務であるにもかかわらず、安倍政権が政権運営上の安全運転に徹し、国の主権を考えない「情けない政治」に終始するならば、その足元を見られ、周辺国から一層の侮りを受けることにもなりかねません。国民の生命・安全・財産を守り抜くため、わが党は、防衛軍の組織も含めた憲法改正を堂々と提起し、活動を進めてまいる決意です。

安倍首相による憲法改正発言を受けて(党声明)