◆日本の自動車メーカー存亡の危機
前編で述べた炭素税や早急なガソリン車の廃止の流れは、日本の自動車産業にとっては非常に大きな危機です。
もともと、トヨタやホンダが得意とする「HV(ハイブリッド)」車は、最も現実的な環境にやさしい車でした。
しかし、他のメーカーが追随できず、そのため、欧州での規制では、HVを「ガソリン車の一種」と位置づけ、締め出されることが決まっています。
トヨタは、このEV化の流れについて、EVのみに拘らず、HV(ハイブリッド)、PEHV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)などにも投資を行っていく「全方位戦略」をとっています。
「王者の戦略」ではありますが、その分、開発コストがかかり、日系メーカーにとって、EV化は強みを失うことになります。
もっとも3万点と言われるエンジン等の部品の多くを、数多くの下請け企業との緊密な連携によって生産する技術システムが日本の強みでした。ところがEVは、構造が簡単で、部品の数がエンジン車の3分の2で済みます。
日本の自動車関連産業の就業人口は546万人、全就業人口6,664万人のうちの、8.2%を占めます。自動車産業を失うことは、日本の雇用の面で大きな衝撃となることは間違いありません。
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