月刊The Liberty(2014年7月号)に『釈量子の獅子奮迅(ししふんじん)ー世の中は変えられる!』の連載記事が掲載されました。今月号では『新しい「日本人創り」で「自由の大国」を目指せ』と題して、ご紹介いたします。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
いま待ったなしと思われる日本の課題は、「人口問題」です。
先日、岐阜県の山間部にある町を訪問しました。町の方々が一様に語っていたのが、「若い人がいない」という危機感です。ここ40年で町の人口は半減し、あと5年で高齢者の割合も半数を超えます。町は「限界集落」と呼ばれる、共同体として存続が危ぶまれる状態に近づいており、介護保険もパンク寸前だそうです。
農業も風前の灯で、農家の平均年齢は70歳。担い手が減り続け、多くの農地が放置されています。そうした農地を、40軒ほど集約して耕作する企業もありますが、採算が取れていません。町長は「これらの会社が廃業したら、わが町のコメ作は消える」と深刻な状況を語っておられました。
高齢化が進む町の現実の厳しさは、想像を絶するものがあります。先月訪ねた福島県のある町でも、アパートから80代の女性が必死の形相で出てきて、通りすがりの私に、「救急車を呼んで」と頼んでこられました。体調が悪くなり、病院に行くタクシーを呼ぼうとしたら、携帯電話の操作が分からなくなり、パニックになってしまったのです。身寄りのない高齢者が増えれば、孤独死も増えます。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、2048年に日本人の人口は1億人を割り込み、50年間で人口の3分の1を失います。また民間の研究機関は「2040年までに、全国の約半数にあたる896自治体で、20~39歳の女性が半減する」という試算を発表しました。子供を生む若い女性の減少によって、自治体そのものが、「過疎」「衰退」を通り越して、「消滅」の危機に直面しているのです。
多くの方が老後の頼みにしている年金も破綻寸前です。毎年1兆円ずつ社会保障費が増える中、消費増税を受け入れたところで「焼け石に水」です。税金の負担をこれ以上重くしていけば、1人当たりの生活水準も下がります。国力の根幹を揺るがす「人口減少」という危機は、静かに、しかし確実に迫ってきているのです。これに対して、私たちはどう立ち向かえばよいのでしょうか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
続きはThe Liberty Web、もしくはThe Liberty(2014年7月号)をご覧ください。