--香港で、警官隊とデモ隊の衝突が激化している
背景には、10月末に行われた中国共産党の重要会議「4中全会」で示された、習近平主席の強い意向があります。11月4日、習主席は香港のキャリー・ラム(林鄭月娥)行政長官に「高い信頼を寄せている。暴動を止め、秩序を回復することが最も重要な任務だ」と期待を寄せましたが、そこから一気に弾圧が激化しました。
特に、香港警察が21歳の男性に実弾を発砲し、香港中文大学や香港理工大学を急襲したことは、市民の怒りを沸騰させ、世界に衝撃を与えました。
折しも、米紙ニューヨーク・タイムズが、新疆ウイグル自治区における弾圧の実態を記した中国政府の内部文書を入手し、リークしました。習主席が「容赦するな」と指示していることも暴露されましたが、香港でも同様の姿勢で臨むなら、弾圧はさらにエスカレートする可能性があります。
--世界から非難が上がる
香港警察は「大学が火炎瓶の製造拠点になっている。犯罪者の隠れみのになっている」と学生を暴徒扱いしましたが、台湾の蔡英文総統は「白色テロだ」と非難しました。白ユリがフランス王権の象徴であったことから、為政者が反体制派に行う弾圧を「白色テロ」と呼びます。かつて台湾も国民党政府による白色テロを経験しましたが、蔡氏は、学生が大学構内に踏み込んできた軍や警官に拘束されたことに触れ、「台湾がようやく抜け出した暗闇に、香港は足を踏み入れてしまった。私は沈痛な気持ちで、ここで踏みとどまるよう香港政府に呼びかけます」とメッセージを発し、香港にエールを送りました。
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連載コラム フジサンケイビジネスアイ
【太陽の昇る国へ】香港の自由を守れ