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「コロナ禍で政治家が合法的買収?国民の血税を使ったそのカラクリ」
◆政府の「大盤振る舞い」
政府は、中国発新型コロナウイルス対策で一次補正、ニ次補正を合わせた財政支出は120兆円を超え、「大盤振る舞い」を行っています。
個人への一律10万円の定額給付金や事業者への休業補償をはじめ各種補助金が配られていますが、もともとは国民の血税です。
今回は、国や地方のバラマキの実態について考えてみます。
◆たった千円で高級ホテルに宿泊できる?
この夏、政府による「GOTOトラベルキャンペーン」が行われ、政府は「観光復興支援策」として総額1.7兆円を投じました。
おかしいのは、県や市も全く同様の補助金を計上していることです。
例えば、北海道は「どうみん割り」、さらに網走市では「さぁ、網走に行こうキャンペーン」があり、たつの市では「たつのおもてなしキャンペーン」があるそうです。
国と県と市と併用が可能なところも多いため、千円札1枚出せば高額の宿泊費が賄えてしまうというケースもあるようです。
このような地方自治体の取り組みを可能にしたのが、国からコロナウイルス感染症対策として配られた「地方創生臨時交付金」です。
一次補正で1兆円、ニ次補正に2兆円、休業要請に応じた事業所への協力金などに幅広く活用できるとされています。交付金を希望する自治体は実施計画を国に提出でき、すべての自治体が我も我もと手をあげました。
その額は、人口7〜8万ぐらいの市で約10億円ぐらいです。小さな町や村でも数億円です。
◆地方自治体の困惑
自治体ごとの交付金の振り分けについては、「人口」「感染率(人口当たりコロナ感染者数)」「財政力指数(税収など自治体の稼ぐ力)」の指標に応じて配られています。
稼ぐ力の弱い自治体には比較的手厚くなる配分になっており、使い道に苦慮する自治体もあるようです。
こうした自治体の困惑を見越したのか、内閣府からは懇切丁寧に100以上の補助金事業の実例集がホームページにアップされておりました。
例えば、旅行券の他に、グルメ券、商品券、高齢者、妊婦への補助金、また図書館パワーアップ事業として蔵書を増やしたり、巣ごもりを支えるものです。
また、文科省から昨年より計画に上がっている「GIGAスクリール構想」は、小中高校生にタブレットを配るものですが、コロナ問題で前倒しで実施されています。
合わせて「地方蘇生臨時交付金」で市や町の議員全員にもタブレットを配布して、オンライン議会であるとか、ネット配信をするそうです。
「持続化給付金」に関しても国・県・市がそれぞれ同じような事業支援の給付があり、国や県の給付の併用も可能です。
このように自治体が交付金の使い方がわからずに、国の政策にぶら下がるようにばらまくことは問題ですが、それを望む国民にも問題があります。
◆一銭も出さずにエアコンを5台つけた家庭
ある市では春先から建築業界の仕事が減ったことで、その負の連鎖を止めるため住宅リフォーム補助金を設けました。
リフォーム工事に関わる経費の一部補助で、エアコンが買えるため、補助金をフル活用してお金を一銭も出さずに、エアコンを5台もつけた家庭があったそうです。ちなみにこの市の感染者数はゼロです。
それから、ある自治体は水道の基本料金を数ヶ月無償化したのですが、無償化していない周辺の自治体の住民から不満の声が上がり、他の自治体もバラマキや無償化をやらざるを得なくなっているそうです。
多くの組長に圧力が働き、「この方面にいくらの補助金をつけました」、あるいは「我が市は県内で一番早く配りました」と競っている話が耳に入っています。
◆一部農家に高額補償のカラクリ
これは北海道のある市の農家の事例です。
昨年収穫した野菜を値段が高くなった春先に出荷するのですが、補助金(高収益作物次期作支援交付金)を申請した農家があったそうです。
その補助金は、所得ではなく耕作面積に対し補償する制度で、10アール当たり5万円です。例えば、耕作面積が40ヘクタールなら2000万円がポンと入ってくるわけです。
こうした農家への補助金は JAが中心になって取りまとめていることが多く、声が掛かるのは農水族の国会議員を推している農家だけで、他の農家が知った時には締め切りに間に合わなかったりするそうです。
◆「移動制限」で観光業の仕事はゼロに
また、政府から手厚くばらまかれたとしても全く割に合わないと痛感されている方もたくさんいらっしゃいます。
北関東で観光業を営む方によりますと、昨年4月から7月の売り上げは1億2000万円ありましたが、今年は200万円です。
コロナ禍で県をまたぐ移動制限されたことにより、ツアーも修学旅行も部活も遠足も何もかもが全部止まってしまったからです。
政府が「GOTOトラベルキャンペーン」をやっても7月8月は休業で、9月の仕事は今のところゼロだそうです。
◆政府の「合法的買収」
では、政治家は何をしているのでしょうか。
東京都内に張られた某政党ポスターは、「給付の推進を我が党が実現した」と PR しています。これは、「お金をばらまいて選挙の票を買っている」のと同じです。「合法的な買収」ができるということです。
「個人がお金を配れば買収」となり逮捕されますが、これは参院選広島選挙区で起きたことです。
「合法的な買収」は、自民党が権力を維持してきた「戦後55年体制」の仕組みであり、公明党が与党に居続けることを可能にした仕組みと言って良いかと思います。
◆「ばらまき政治」のツケは国民に
こうした「ばらまき政治」が財政赤字を増やし、結局は国民への増税につながってきます。
すでに、政府の税制調査会は8月5日、コロナ対策による深刻な財政悪化を懸念して消費税の増税を中核に据えた議論が必要ではないかといった声が出ています。
そして今、政府がマイナンバーの銀行口座への紐づけを急いでおりますが、預貯金などに課税する可能性が指摘されています。
最近、幸福の科学出版より発刊された『トランプ経済革命』で、アーサー・ラッパー博士が、ムニューシン米財務長官が決定したトランプ政権の財政指数総額3兆ドル(約320兆円)を次のように批判しています。
「ヘリコプターマネーをもって景気刺激策であるなど主張するのは、あたかも核爆弾を平和の使者だと強弁するようなものだ。」
つまり、結局、「政府支出は課税を意味」し、ばらまきのツケは必ず国民に回ってくるという意味です。
■『トランプ経済革命―側近ブレーンたちの証言』
著者 スティーブン・ムーア/アーサー・B・ラッファー/藤井幹久 訳/幸福の科学出版
◆今の日本に必要な政策と国民のマインド
では、この増税を避けるにはどうしたらいいのかということですが、それがズバリ、「安い税金と小さな政府を目指す」ことです。
今、コロナ危機で、政治家がばらまき、国民の側も「もえるものはもらっておこう」という空気が蔓延していますが、それが多数になれば国は必ず衰退してしまいます。
厳しくは見えますが、「天は自ら助くる者を助く」という自助努力に基づき、知恵と工夫でコロナ時代をサバイバルする方向しか、すべての人を幸福にする道はありません。
そして額に汗して働く人を偉いと言えるような日本の国民性を大切にし、「努力は無駄にならない」ということを教えるのが宗教です。
コロナ対策で、社会基盤を壊したり、経済を全滅させるような極端な政策をとるのは、これは知恵のないあり方ではないかと思います。
ここは一度冷静になって「人の温もり」を大切にして、そして努力で額に汗して働く価値観というものを取り戻していく必要があるのではないでしょうか。
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