11/26 中国主導RCEP、アジア影響拡大、菅親中外交の限界

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幸福実現党党首 釈量子

◆RCEPの懸念(1)アジア諸国の中国依存度が高まる

アジア太平洋地域のASEAN10か国と日本、中国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国を加えた15か国間の貿易を円滑化する「地域的な包括的経済連携(RCEP)」が合意されました。

国内総生産(GDP)の合計が世界の3割を占める巨大経済圏が誕生します。参加国は新型コロナの感染拡大で打撃を受けた経済を復興させたいという期待もあります。

しかし、懸念すべきは、アジア諸国の中国依存度が高まり、中国の影響拡大につながる点です。

トランプ政権の制裁によって貿易や技術分野の米中分断が進んでいましたが、習近平国家主席は、今年4月の共産党の会議で、次のように号令をかけました。

「国際的な産業チェーンの我が国との依存関係を強め、外国が供給を止めることに対する強力な反撃・抑止能力を作らなければならない。」(11/1発行・党理論誌「求是」)

こうした中国の国家戦略のもとに、RCEPが位置づけられていることを知る必要があります。

RCEPは当初、16か国で協議を始めていましたが、2019年にインドが脱退を表明しました。インドは中国などの安価な製品が国内に大量に入ってくれば、インドの対中貿易赤字が拡大し、製造業を守れないと判断したからです。

RCEPにはGDP世界1位の米国は加わらないので、3位の日本としては、2位の中国に主導権を握らせないために、5位のインドを組み込み、バランスを取ることを望んでいましたが、これが叶いませんでした。

李克強首相は11月12日、ASEAN加盟10か国の首脳に対して「ASEANは最大の貿易相手だ」、さらに「南シナ海を管理するための智慧と能力があることを国際社会に示そう」と呼びかけました。

これは米国抜きで、中国がアジアの面倒を見ると言っているに等しいわけです。

その後、11月4日には、軍事拠点として南シナ海に設けた人工島を守るため、中国海警局に武器の使用を認める法案を発表しました。

中国は今後、南シナ海で領有権を争っている国に対して、領土問題で譲歩を迫っていくはずです。中国海警局の武器使用を認める法案は、南シナ海だけでなく尖閣諸島もその対象に入っています。

日本の国益を守るためには、尖閣の領海侵犯を止めるまで、RCEPに合意しないという判断もあったのではないでしょうか。

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