幸福実現党党首 釈量子
◆クアッド失敗の兆し
5月24日、東京でクアッド首脳会議が開かれました。
クアッドとは、日本、アメリカ、インド、オーストラリアの4か国の対中国包囲網の枠組みです。会談の後は、共同声明で、中国を念頭に「威圧的、挑発的、一方的な行動に強く反対する」と発表しました。
しかし実のところ、クアッドは既に失敗する可能性が見え始めました。その表れのひとつが、会談直前の21日に行われたオーストラリアの総選挙です。
対中強硬派だった保守連合(自由党と国民党)を率いるモリソン首相が敗れ、親中派だと言われているアンソニー・アルバニージ党首が率いる労働党が第一党となり、政権を奪取しました。
オーストラリアの政権交代は9年ぶりの出来事です。
◆政権交代によるオーストラリアの「親中化」
選挙キャンペーンでは、習近平国家主席が「Labor(労働党)」と書かれた投票用紙を投票箱に投じている写真をラッピングした、PRトラックがオーストラリアを走り回っていました。
これは与党系の市民団体による活動ですが、このように保守連合は、中国問題を争点にしようとしましたが、これは空振りに終わります。
理由は、ロシア・ウクライナ戦争などでオーストラリアは、20年ぶりの前年比5.1%の物価高(3月)を記録し、国民の関心は、インフレに対処に集まっていたからです。
労働党のアルバニージ党首は、インフレに追いつくために少なくとも5.1%の最低賃金の引き上げを支持し、育児補助金の引き上げなどのバラマキ政策を主張しました。
さらに労働党に期待されていることは中国との関係改善です。
保守連合のモリソン前首相は、「2019年にコロナ・ウィルスの起源の調査を中国ですべきだ」と主張したところ、中国との関係が悪化しました。
続きはこちらからご覧ください。
クアッド失敗!? 対露制裁でほころぶ中国包囲網【前編】
http://hrp-newsfile.jp/2022/4288/
クアッド失敗!? 対露制裁でほころぶ中国包囲網【後編】
http://hrp-newsfile.jp/2022/4291/