習近平独裁で台湾・インド侵攻加速。なぜ胡錦濤強制退場?軍人事に注目

幸福実現党党首 釈量子

◆独裁政権を確立した習近平

中国共産党の習近平総書記の続投が決まりました。最長2期まで、68歳以上は引退という慣習を破っての、異例の3期目に突入です。

習氏の独裁体制が一段と強化されるとの懸念が広がっていますが、それを象徴するのが、胡錦涛前国家主席が党大会を退席させられた光景です。

党規約改正案の採択直前のタイミングだったことから、反対票を投じる可能性のある胡氏を排除したと見るべきでしょう。

米国のFOXニュースに出演した中国問題専門家のゴードン・チャン氏は、次のように指摘しています。

「今回の件は、胡氏に屈辱を与え、習近平氏による完全な統制下にあることを示すために、意図的に準備されたものだ。習氏が危険で、残虐なことを目指していることを考えると、身も凍るようなメッセージだ。」

中国共産党系のメディアは、胡氏の健康問題を退席の理由に挙げていますが、海外メディアを前に、そして、中国共産党員9600万人に明確なメッセージを送るために、意図的に準備されたと見るべきです。
 

◆台湾侵攻の危機

その後発表された、党の最高指導部を構成する政治局常務委員、いわゆるチャイナ・セブンの面々も、胡氏と師弟関係にある李克強氏が外され、かつての部下など腹心で固められました。

中国は毛沢東の死後に採用してきた集団指導体制から習近平氏の独裁体制に移ったと見るべきだと思います。

強引なコロナ対策で国内経済は落ち込み、水害などで食料不足もささやかれるなか、習氏としては実績がほしい――。

そこで考えられるのが「台湾侵攻」です。党規約にも「台湾独立に断固として反対して抑え込む」との文言が入りました。

習氏の目論みは、中国共産党中央軍事委員会の人事にも反映されています。党中央軍事委員会は習氏をトップに7人の幹部で構成されています。

台湾の武力統一や核弾頭を搭載する弾道ミサイルの発射といった軍事的な意思決定を行います。台湾問題を中心としたアジアの情勢に大きな影響を与えます。

今回注目すべきは、習氏が党中央軍事委員会のナンバー2のポストにある副主席に何衛東氏を抜擢したことです。

何衛東副主席は直前まで、台湾や沖縄県・尖閣諸島方面の東部戦区司令官を務めていましたが、今回初めて中央軍事委員会に入りました。

台湾と向き合う福建省の出身で台湾情勢を熟知している方です。

ナンシーペロシ米下院議長が台湾を訪問した際に、中国が大規模演習を行いましたが、それに関わっていたと言われています。

習氏は反対派を排除し、周りにイエスマンを揃えるとともに、台湾侵攻に向けて軍事面での布石を打っています。

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【前編】http://hrp-newsfile.jp/2022/4372/
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