世界大戦を招くマクロン発言。トランプが戦争を終わらせる。

幸福実現党党首 釈量子

◆マクロン発言でパニック

2月26日、フランスのマクロン大統領が、欧州全体を戦争に巻き込むような発言をして世界を驚かせました。

パリで開かれたウクライナ支援について話し合う緊急会議で、ドイツのショルツ首相、英国キャメロン外相、アメリカやカナダの代表団などが出席。

マクロン大統領が記者会見で、「西側の地上部隊をウクライナに派遣する可能性」について「排除すべきではない」と発言して驚かせたわけです。

米ホワイトハウスは声明で、バイデン大統領は「勝利への道」は軍事支援の提供だとしつつも「アメリカがウクライナでの戦闘のために部隊を派遣することはないと明言している」と付け加えました。

イギリスのスーナク首相の報道官は、イギリスは現在ウクライナ軍を訓練している少人数の軍人以外に、ウクライナに大規模な軍事派遣をする計画はないと述べました。

ドイツのショルツ首相も、欧州やNATO加盟国はウクライナに部隊を送らないという合意された立場に変更はないと述べました。

イタリアのメローニ首相の事務所も、イタリアの「支援には欧州やNATO加盟国の軍隊がウクライナ領土に滞在することは含まれていない」としました。

NATOストルテンベルグ事務総長は、ウクライナに部隊を送る可能性を否定し、一方でNATOに加盟していないウクライナを引き続き支援すると強調しました。

こうした姿勢は、スペイン、ポーランド、チェコといった多くのNATO加盟国も同調し、フランスとはだいぶ温度差があります。

ところが、マクロン氏はさらに3月14日、現地テレビ局のインタビューで、改めて欧州諸国による部隊派遣の可能性について「選択肢は排除しない」「自分たちから攻撃を仕掛けることはない」と述べました。

けれども、「私たちにはロシアを勝たせないという目的を達成するための決意と勇気を示さなければならない」と強気の発言をしました。

◆マクロン発言に対しロシアが警告

これに対して、ロシアは警告を発し、2月28日プーチン氏側近の下院議長は、次のように牽制しています。

「ナポレオン気取りだ」「第3次世界大戦を引き起こすこと以外に考えられなかったのだろう。フランス市民にとって彼の構想は危険だ」

マクロン氏の突如のタカ派発言の背景について、フランスのニュースサイト『マリアンヌ』が興味深いことを言っています。

フランス軍の機密文書を紹介し、「ウクライナ軍の勝利は軍事的に不可能」「軍事的解決策のみを追求し続けることは深刻な誤り」と指摘しています。

つまり、ウクライナの苦境に焦ったマクロン氏は、政治的に援護する必要があると判断し、長い目でみれば「戦略的な曖昧さ」といっても帳尻が取れると考えたのではないかという見方です。

フランスの新聞『ル・モンド』によると、マクロン氏はさりげなく「オデッサに派遣しなければならないだろう」と語ったといいます。

ロシアがウクライナの港湾都市オデッサを制圧すると、ウクライナが「陸の孤島」となり終わってしまいます。

長期戦になれば最終的にはロシアは損をして負けるかもしれないと、あらゆる選択肢をテーブルの上に並べようとしているのかもしれません。

続きはこちらからご覧ください。

http://hrp-newsfile.jp/2024/4496/