『五輪景気 必要なのは、消費増税より成長戦略』(夕刊フジ9月27日号「いざ!幸福維新」より)

1238308_588912817835490_1531882832_n2020年夏季五輪の東京開催が決定し、明るいニュースに日本中がわきました。関係者の皆さまの長年にわたるご尽力に心より敬意を表します。

1964年の東京五輪開催にあたっては、首都高速道路や地下鉄網、東海道新幹線など、高度成長を支える交通インフラ整備が進められ、日本が経済大国へと飛躍する契機となりました。この例にならい、56年ぶりの五輪開催を、長らく低迷を続ける日本経済復活の起爆剤としなくてはなりません。

安倍晋三首相は10月1日、来年4月からの消費税率の現行5%から8%への引き上げを表明するとみられています。

五輪開催決定は、その経済効果から消費増税の後押しになると見る向きもありますが、増税はせっかくの五輪景気に水を差すだけです。2012年のロンドン五輪を前に、日本の消費税に相当する付加価値税を引き上げた結果、消費が落ち込み、景気悪化を招いたイギリスの轍(てつ)を踏んではなりません。

そもそも、4~6月期の国内総生産(GDP)改定値は年率3.8%増と高い数値を示しているものの、大企業に比べ、中小企業の景況感の改善は遅れているのが実情です。

また、原発の稼働停止に円安もあいまって、電気料金や食料品の値上がりが続くなか、消費税率まで上がってしまえば、私たちの暮らしは大きな打撃を受け、日本経済の復活が遠のくことは避けられません。

つまり、必要なのは消費増税ではなく、実効ある成長戦略です。五輪決定で日本に世界の関心が注がれるなか、積極的に海外からの投資や観光客を呼び戻すために、東京の魅力を増し、競争力を強化するような政策・・・特区の創設や規制緩和、法人税の大幅減税などを進めるべきではないでしょうか。五輪開催をてこに日本の国際化を図り、世界のリーダー国家へと新生させる新たなビジョンが必要なのです。

政府・与党はじめ、国内外から消費増税を求める圧力がつよまるなかにあって、安倍首相には、国のかじ取りを過たず、増税中止の英断を下されるよう、強く望みます。