本日、政府は臨時閣議で集団的自衛権の行使容認を決定しました。公明党への配慮から、自衛権発動要件の厳格化など踏み込み不足の感は否めないものの、かねて国防強化を訴えてきた幸福実現党として、日本の安全保障政策が大きな転換点を迎えたことを歓迎します。今後、実効ある関連法整備が進むよう強く要望するものです。
そもそも自衛権は国家の自然権であり、集団的自衛権の行使を認めることは主権国家として当然の姿です。集団的自衛権の行使容認をめぐっては、護憲派や左翼陣営から「戦争への道」といった強い反発が見られますが、抑止力強化によって未然に防げる戦争があることを知らなくてはなりません。ましてや、中国の軍備増強やなりふり構わぬ海洋進出、北朝鮮の暴発懸念を踏まえれば、わが国として安全保障の強化は喫緊の課題にほかならず、従来の憲法解釈に拘泥し、神学論争に明け暮れる時間など残されてはいません。
先の大戦後、わが国は安全保障を専ら米国に依存してきました。しかし、米国は軍事費の削減を迫られており、アジア太平洋地域における米軍のプレゼンスが弱まる可能性も否定できません。折しも、南シナ海では中国とベトナム、 フィリピンとの間で領有権をめぐる対立が先鋭化し、緊張感が高まっています。米国が世界の警察の役割を放棄しようとしている今、中国牽制に向けて東南アジア諸国が日本に寄せる期待は大きく、集団的自衛権の行使容認は、これに応えるものともなるはずです。
アジア太平洋地域の盟主として、日本が地域の平和・安全や繁栄に貢献するためにも、このたびの集団的自衛権の行使容認はもちろん、「自分の国は自分で守る」体制の構築及び憲法改正を急ぐとともに、対中抑止のための戦略的外交を強化すべきことを付言いたします。
幸福実現党党首 釈量子