大分県に来ています。
日本で一番大きな地熱発電所である、八丁原発電所を視察し、お話を伺って来ました。
標高1100メートル、阿蘇くじゅう国立公園内にある発電所は、昨晩からの雪で周囲は真っ白。
時折吹雪くなか、西田所長、川副副所長に案内していただき、地中3000メートルから蒸気を取り出してタービンを回す仕組みや、蒸気を冷却する装置などを見せていただきました。
これはまるで“圧力鍋”、というのが地熱発電についての私の感想です。
マグマだまりと、それに熱された水があり、さらにキャップロックと呼ばれる岩盤の蓋。
この3つの条件が揃っている、高温高圧の“圧力鍋”状態の地熱貯留層に蒸気井を通して、熱水と蒸気を取り出すわけです。
まず、場所の探査し、掘削して量の確保をはかり、それに見合った発電施設を作り、オペレーティングをする。
こうした膨大な知恵の集積は、「電力の安定供給」という使命感なくしてはできず、尽力されている方々の不断の努力に頭が下がります。
もちろん、現在わずか1%程度にすぎない地熱に、日本の経済を支えるポテンシャルを、今現在見出すのは難しく、原発の稼働は安全保障の面から見ればまさに命綱です。
しかし、超臨界地熱発電はじめ、素材や技師の開発がイノベーションを起こすことができたら、新しい未来を拓く可能性は大いにあると確信しました。
これからも、日本のエネルギー政策について研究を重ねてまいります。