加計学園問題を巡る閉会中審査を受けて(党声明)

 

平成29年7月26日
幸福実現党

 学校法人「加計学園」による獣医学部新設について、官邸の意向が働いたか否かを巡って、今月10日に続き、24、25の両日、衆参両院で閉会中審査が開かれました。文部科学省の前事務次官は特区認定に関して「行政がゆがめられた」などと批判していますが、自治体が獣医学部の必要性を訴え、意欲ある大学が学部新設を目指しても、文科省が半世紀以上にわたり門戸を閉ざしてきたことこそ、行政の「ゆがみ」にほかなりません。

 「学問の自由」「大学設置の自由」は守られてしかるべきであり、文科省の「岩盤規制」を打破するための政治主導の発揮は認められると考えます。大学設置は「認可」行為にもかかわらず、事実上の「特許」行為として文科省の独占状態にありますが、この現状は改めねばなりません。加えて、大学設置や私学助成の権限を背景に、天下りを大学側に受け入れさせてきた文科省の体質は看過できず、解体も含めた抜本的な組織改革が必要であると考えるものです。

 翻って、首相と昵懇の間柄でなければ突破できない「岩盤規制」の改革であれば、国民目線からは「公平性に欠ける」と受け止められても仕方ありません。恣意的なものと受け止められかねない手法ではなく、大学・学部の設置認可はもとより、あらゆる規制をゼロベースから見直し、「自由の創設」を図るべきだというのが、規制改革に関するわが党の基本方針です。

 このたびの審議では、「加計学園への伝達事項」と題した文科省の内部文書も取り上げられ、加計学園に対する教員確保や施設整備等についての助言が、「加計ありき」の証拠であるかのように扱われました。しかしながら、このような批判は、ためにする議論と見なさざるを得ません。大学設置基準を満たすには、認可に先立って、事業者が土地や建物、教授陣等を揃えなければならないことから、不認可のリスクを回避すべく、文科省との事前審査・相談を行っているのが実情です。設置の要件を満たすため、事業者側に莫大な先行投資を課する一方、不認可となっても文科省は責任を負うことのない、こうした現行制度の是非も問われるべきだと考えるものです。また、大学認可の可否を判断する「大学設置・学校法人審議会」についても、密室審査などの問題が指摘できることから、政策決定過程における責任の明確化、透明性の向上を図るためにも、そのあり方を見直すべきです。

 加計学園問題を機に、行政や業界団体、政治家による根深い癒着・利権構造を根本的に改めるべきと考えるものであり、わが党は「岩盤規制」撤廃を通じた大学設置の「自由化」の必要性を訴えてまいる所存です。

  

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