香港に真の民主主義を 日本には普遍的価値観を広げる使命(10月24日付夕刊フジ【いざ!幸福維新】にて掲載)

 香港に真の自由と民主主義を-。2017年に予定される香港行政長官選挙をめぐり、中国政府が直接選挙の導入を認めたものの、事実上、民主派候補を排除する仕組みを決定したことを受け、民主派による大規模デモが展開されています。

 そもそも中国は1997年の香港返還に際し、高度な自治を認める「一国二制度」の原則を約束しており、これを誠実に履行すべきは言うまでもありません。

 私たち幸福実現党は、中国政府に対し、民主派排除の選挙制度改悪を撤回し、真の普通選挙を実現するよう求めるとともに、デモ隊への武力弾圧などゆめゆめ行うことなどないよう強く求めます。25年前に起きた天安門事件のような悲劇は、絶対に繰り返してはなりません。

 中国は国際法を無視した海洋進出を行う一方、国内では香港における政治的自由の抑圧のみならず、チベット人やウイグル人などの少数民族に人権弾圧を加えています。圧政に対する怒りや不満が鬱積するなか、民主化運動に弾圧を加えるとともに、非難の矛先を対日攻勢などへ転嫁させる政治手法は誤りです。人権を蹂躙(じゅうりん)し、横暴な振る舞いに終始する中国に対し、国際社会全体で非難の声を上げていかねばなりません。

 香港民主化への動きを探るべく、私は今年5月、香港を訪問し、香港民主党の初代党首、李柱銘(マーティン・リー)氏ら民主化運動の中心人物と会談しました。「香港が民主化されれば、必ず13億の中国の人たちに影響を与える」「どんな独裁も続くとは思わない」と語るリー氏に接し、真の自由を求める人々の熱意を押しとどめることは誰にもできないと確信しました。

 香港の民主化運動の帰趨(きすう)が中国、アジアの未来を大きく左右すると言っても過言ではありません。米国などが民主勢力の支持を表明するなか、日本政府があいまいな態度にとどまっているのは、本当に残念です。幸福実現党は、日本にはアジアのリーダーとして、自由や人権、民主主義といった普遍的価値観を広げる使命があると考えます。わが党として香港の民主化勢力を支援すべく、国際世論の形成に尽力してまいります。

 

(幸福実現党党首・釈量子)

夕刊フジ ウェブサイトはこちらをクリックしてください。