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マイナンバーと口座紐付けは、コロナ自粛に伴う増税準備!【前編】
◆コロナ給付金の裏で進む増税準備
今回のテーマは「コロナ自粛に伴う大盤振る舞いの裏で、ひそかに進む増税の準備」についてです。
4月に「緊急事態宣言」が出され、外出や営業の自粛を余儀なくされたことで、多くの企業や個人が、経済的苦境に追い込まれています。
政府の1人10万円の現金給付をはじめとする経済政策は、一次、二次補正あわせて財政出動の規模は56兆円を超えています。
しかし、その裏で静かに「増税」が検討されています。その動きの一つが、「マイナンバーと銀行口座の紐付けの義務化」です。
2018年以降、新規で銀行口座を開設する際は、マイナンバーの提出が求められるようになり、現時点では「任意」で、2021年から義務化される予定で進んでいました。
しかし、国民の抵抗感も強くあって、義務化の議論は進んでいませんでしたが、「1人10万円の現金給付」を背景に、政府は、銀行口座とのマイナンバーの紐付けなどを一気に進めようとしています。
政府も「このような時、現金給付がスムーズに行えます」とPRしていますが、これは本当に国民のためなのでしょうか?
◆マイナンバーと口座の紐付け義務化のねらい
政府は、来年の通常国会で「マイナンバー」と「全口座」の紐付け義務化の法整備を目指しているのですが、これは、要注意です。
なぜ、政府が私たちの銀行口座番号や財産を知る必要があるのでしょうか。
私有財産は自由の根源です。もしそんなことが堂々とできるなら、それは中国のような全体主義国家と同じようになってしまいます。
毎日新聞は6月1日の朝刊で「困窮者に30万円給付する案から、1人一律10万円の給付になったのは、背景に収入の減少状態を把握するのが困難だったからだ」と、マイナンバーの利点を力説しています。
そのうえで、「ある経済官庁」の幹部が「口座情報がマイナンバーと紐づいていれば、本当に困っている人にだけ支給できたのに…」という声を紹介していました。
実際のところ、政府の本音は、国民の資産を正確に把握したいのでしょう。
「困っているかどうか」を判断するには、間違いなく資産額や銀行口座のお金の出し入れをチェックすることになります。
こうしてみると、「マイナンバー」と「銀行口座」の紐付けの本当の目的は、国民の保有資産を把握し、資産課税(財産税)に道を拓くことにあると言わざるを得ません。
◆政府が考える新たな税金アイデア
「資産課税」の一つとして、例えば、すでに「死亡消費税」という新たな税金のアイデアが出されています。これは東京大学の伊藤元重氏名誉教授が、2016年の「社会保障制度改革国民会議」で提唱したものです。
定年後の60歳から亡くなるまでの85歳までの間、使わずに貯蓄していた遺産から、そのお金を消費していれば払っていたと考えられる消費税分のお金を、「死亡消費税」として払ってもうというものです。
要するに、マイナンバーが口座に紐付けすると、「増税のインフラ」が整うわけです。
◆マイナンバーの情報漏洩リスク
ちなみに、日本で普及を急いでいるマイナンバーですが、海外では共通番号制があり、様々な個人情報が一気に流出した事例があり見直しが進んでいます。
アメリカでは、社会保障番号(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)が住民に割り当てられ、年金、医療、税務、その他の行政サービス全般、銀行口座の開設やクレジットカードの取得など民間でも使われています。
2017年には、人口の44%、約半分の1億4,500万人のナンバーが個人情報とともに漏洩してしまい、なりすましによる詐欺が増え、利用制限が行われました。
さらには、「電子マネー」の次に「デジタル通貨」など、ハッキング等で資産が消滅する危険があり、こうした対応を後回しにした推進はいかがなものかと思います。
(つづく)
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